このページは、膠原病を聞いたことがない人にも伝わるよう、患者目線のかみ砕いた言葉で説明している。
✅友達に自分の症状をカンタン説明したい時
✅初めて診断されたけど、何が何だかわからない時
お友達は 自分が病気であるわけではないので、詳しく説明しても興味を示すことはあまりない。
また急に診断された人は「聞いたことがあるけれど何が何だかわからない・・・」という人も多い。
そんな時、このページをぜひご利用いただきたい。
膠原病とは?
膠原病とは 自己免疫の異常により、体のいたるところに障害をきたす病気 である。
詳細はこちらのページをご覧いただきたい。
完治はあるの?
あなたが色々説明を聞いた後、もしくはあなたが誰かに一生懸命説明した後、
「結局、その病気って治るの?」
という質問されることはないだろうか?
難病に『完治』という概念はない
上記の 難病の定義 をお読みいただきたい。
結論から言うと、難病とは 根本治療の方法が見つかっていない病気であり、『完治』という概念がない。もちろん、将来的に 根本原因が判明し、治療法が見つかれば、完治への希望は生まれるかもしれないが・・・
『寛解』と『活動』そして、『再燃』
『活動』-難病が暴れまわっている状態
難病が 絶賛 活動している状態を、その名の通り『活動期(かつどうき)』という。治療を開始する前、診断がおりる時、積極的治療をおこなっている時などが当てはまる。
『寛解』-難病が眠っている状態
ただし、『寛解(かんかい)』といって、病気が薬などによって抑えられ、眠っている状態になることがある。
ただ、『寛解』状態だからといって、健常者と同じではない。症状や副作用は、残る。
例えば、EGPAの場合は、好酸球性副鼻腔炎による嗅覚障害、呼吸が苦しい喘息症状、手足が痺れる末梢神経障害などは、寛解時でもしぶとく残る。
また、すべての難病に、この『寛解』の概念があるわけではない。
自己免疫疾患の多くのケースでは、この『寛解』の概念が当てはまる。多くの自己免疫疾患の患者は、寛解を目指して日々治療にあたっている。
寛解に至るには、通常数年かかると言われている。なお、筆者は、確定診断後 5年近くかかった。
『再燃』-難病が暴れ出す状態
『再燃(さいねん)』とは、難病が少し落ち着きを取り戻しつつある、また寛解の時、病気の状態が悪化することをいう。
原因はある場合もない場合もある。過労やストレスなどが原因になることもあれば、何もしてないのに再燃することもある。
判断は、基本的に専門医が行うが、闘病が長い患者だと察知できることも多い。
再燃の症状は、血液検査(例: 好酸球、白血球の増加)や物理的な症状(例: 喘息や副鼻腔炎の悪化、紫斑や鼻茸ポリープの増殖、抹消神経痛)など、患者一人ひとり大きく異なる。
患者としての実体験は、徐々に悪化というよりは、急に憎悪することが多いと思われる。
難病は『火山』に例えられる
火山には、いくつか種類がある。
- 活火山(かっかざん):まさに絶賛噴火中の火山。マグマがドロドロ流れる。
- 休火山(きゅうかざん):活動の記録はあるが、現在目立った活動が無い火山。
- 死火山(しかざん):活動の記録が無い火山。
(参考: 火山の基礎知識、御御岳火山研究施設)
寛解とは、『休火山』状態
難病はよく、火山に例えられる。病気が診断された時は、『活火山』状態で、火山が噴火している状態だ。しかし、薬などで、押さえ込み、病気が眠っている状態は、『休火山』に似ている。
逆を言えば、予測もしていないときに、いきなり噴火することがある。直前に何かヨドミのような、不思議な体調不良があることもある。
静かにくすぶっていて、いつ噴火するかは、患者本人にも全くわからない。
無理をすると大体体調は悪化するが、安静に過ごしていても、体調は悪化する時もある。
まさにコントロール不能なのである。
難病の場合、『死火山』になる可能性は、現在著しく低い。
英語の呼び方
寛解 – Remission
『寛解』は、英語で Remission(レミッション)という。
- I am in remission. (アイ・アム・イン・レミッション): 私は寛解です。
- I’ve been with frequent remissions and exacerbations. : 私は寛解と憎悪を繰り返している。
再燃 – Flare-up
色々な言い方があるが、患者がよくいう難しくない言い方だと
『再燃』は、英語で flare up(フレア・アップ)という。(細かいがこちらは必ず数えられる名詞扱い)
- I had a bad flare up last night. : 昨夜、ひどい再燃がありました。
- I have been in full remission for 5 years now with no flare ups at all.
: 私は、現在 5年間寛解で、再燃は全くない状態です。
まとめ
原因不明の難病である、膠原病患者に『完治』という概念は、今のところなく、患者本人は一生涯この病気と『共存』していくことになる。
昨今の新型コロナウイルスの騒動で、先の見えない状態に、人々がストレスを感じたり鬱になったりしているが、
難病患者とは、それが一生続くのである。
おそらくこの気持ちは、難病患者にしかわからない。わかった気にならないでほしい。しかし、新型コロナウイルスを通して少し想像をすることはできるようになった人が増えたのではないだろうか、とも思う。
難病患者は、体だけでなく心も大きなストレスを追っている。小さな気遣いが尊重されることを切に願う。