今回は、モデルナとアストラゼネカ
EGPA (好酸球性多発血管炎性肉芽腫症) とは、自己免疫疾患で、膠原病の一種である。
初回では、アメリカとイスラエルで先行して開始したファイザーのワクチン接種体験記を紹介した。
今回は、モデルナ、および アストラゼネカ とオックスフォードのワクチン接種体験を特集する。
出典: 2020年12月25日 時事通信
① 米国・メリーランド州(L. G.さん)
- 1回目接種: 2021年 1月21日
- 2回目接種: 未実施
- ワクチン製造会社: モデルナ
- 本日現在の体調: 良好
- 現れた副反応: 注射した腕の痛み・36時間の風邪症状
- 投薬:プレドニン 40mg
メリーランド州に住むリンジーさん (L. G.さん)は 30代の白人女性。小さい子供の母親であると共にヘルスケアワーカーなので今回優先接種の対象となった。リンジーさんは、2019年にEGPAと診断され、まだ病状が安定しておらず、今月も対処的に 40mgのプレドニンを接種していた。しかし、そんな中でも彼女の呼吸器内科の医師は接種を推奨したという。
注射した腕の痛みに加え、36時間風の様な症状が続いた(おそらく発熱や倦怠感か?)が、その後良好になった。「小さい子供がいるし、接種しないという選択肢は全くなかった。後悔もない。」と、話す。
② イギリス・ロンドン 女性(J. J.さん)
- 1回目接種: 2021年 1月23日
- 2回目接種: 未実施
- ワクチン製造会社: アストラゼネカ&オックスフォード共同開発
- 本日現在の体調: 良好
- 現れた副反応: 注射した腕の痛み・頭痛
ついに、イギリス在住のEGPA患者の接種例も出た。ジャッキーさん (J. J.さん)は、(本人いわく)ファイザー 製のワクチンに対してはアレルギーがあったので、アストラゼネカ &オックスフォードのワクチン接種に至ったという。(注:ファイザー のワクチンに対するアレルギーの根拠は不明)
他のワクチンと同様、腕の痛みがあり、また頭痛が出たが、その後は体調良好。
「3月にCOVIDにかかった人の話を聞いたけれど、(恐ろしかった)。このワクチンは素晴らしい、後悔は全くない」と語る。
③ 米国・ペンシルベニア州 女性(W.Z.さん)
- 1回目接種: 2021年 1月12日頃
- 2回目接種: 未実施
- ワクチン製造会社: モデルナ
- 本日現在の体調: 良好
- 現れた副反応: 注射した腕の痛み・倦怠感
- 投薬:ヌーカラ 300mg(月1)
ペンシルベニア州ピッツバーグのウィルマさん (W. Z.さん)は、60代の白人女性。1月12日頃、一回目のモデルナの接種を完了した。接種後、注射した腕の痛みと倦怠感が出たが、大きな問題ではなかったと話す。
このほかにもモデルナ接種をした人は、数人いた。いずれのEGPA患者も、腕に痛みはあった様だが、強烈な副反応などはなかったと語っている。なお、各体験談の人が訴える腕の痛みすら何もなかったという人も数人いた。
ファイザー接種のEGPA患者、貴重な体験談
私はファイザーを 2回接種したけれど、注射した腕の痛みが少しだけ出ただけでした。2回目のほうが1回目より痛くなかったです。副反応は一切ありませんでした。
T. B.さん
最近の日本の報道では、2回目の方が痛みが強かったり副反応が出やすいとも言われているが、必ずしもそうではないようだ。
なお、海外のEGPAコミュニティで、激しい副反応やアナフィラキシーの方向は今のところ一切出ていない。
世界のEGPA患者は、今こんなことを話している
前回、世界のEGPA患者たちはこんなことを話していると紹介した。
ざっくりいうと・・・
- 受けたい人が多いけど、副反応にみんな興味津々
- 事前に主治医に接種可能か確認している(ただし主治医の主観が入り、悩む人もいる)
- 結局は受けてみないと、誰もわからない(自己責任)
詳細はこちら
それから3週間経ち、ワクチンを熱望する人たちが増えているように見える。
(ワクチンよりも)COVID自体の方が もっと怖いです。 できるだけ早く接種する!T.M.さん(米国・テネシー州)
ワクチン接種が待ちきれない。どうやらヌーカラより針が細いらしいので、注射箇所の痛みはないんじゃないかな、って思う。 ワクチンを受ける前に、COVIDにならない様毎日祈っています。
A.B.さん(米国・ペンシルベニア州)
一方、ワクチンに否定的な考え方を持つEGPA患者も割合は少ないがいる。
欧米のリウマチ内科や呼吸器内科の医師たちは、患者たちに接種をなるべく早くする様推奨しているケースが多いようだ。ぜひ、私たちも次回の外来の時に、それぞれの主治医に確認してみることをおすすめする。