世界のEGPA患者は、先行して ワクチン接種 開始
EGPA (好酸球性多発血管炎性肉芽腫症) とは、自己免疫疾患で、膠原病の一種である。
先日『新型コロナウイルスのワクチンを接種したいですか?』というアンケートをとったが、やはり不安に思う方は大変多いようである。(結果は後日また要点をまとめて後日アップ)
出典: 2020年12月25日 時事通信
日本では、基礎疾患もちの人の接種は 4月以降になる予定だが、
世界EGPAを抱えながら、すでにワクチン接種をした人がちらほら出てきている。
今回はすでにワクチン接種をした3人のEGPA (好酸球性多発血管炎性肉芽腫症) 患者の話を 簡単に要約する。
<続編もあります>
① 米国・ルイジアナ州 女性(L.S.さん)
- 1回目接種: 2021年 1月1日
- 2回目接種: 2021年 1月21日(完了)
- ワクチン製造会社: ファイザー
- 本日現在の体調: 良好
- 現れた副反応: 注射した腕の痛み
- 投薬:ヌーカラ 300mg (月1)
アメリカでは、現在医療関係従事者と高齢者から先行して接種を開始した。基礎疾患を持つ人の接種の順番はまだきていない。しかし、中には「基礎疾患を持つ医療従事者」もいる。
アメリカ・ルイジアナ州に住む ローラさん (L.S.さん) は、孫がいる世代の白人女性。メディカルスクールの事務職で、初回接種当日 1つだけ注射が余っており、「受けたいですか?」と聞かれて、喜び勇んで接種した。
事前に、主治医(リウマトロジー)の許可は得ており、医師からは「確かにリスクはある。ですが、メリットがデメリットを上回るので接種を推奨」と言われており、接種を望んでいたそう。
1回目を接種した際は、注射した場所が少し腫れて痛くなったが、体調不良はなく、良好。
② 米国・カンザス州 女性 (A. S.さん)
- 1回目接種: 2020年 12月18日
- 2回目接種: 2021年 1月 8日(予定)
- ワクチン製造会社: ファイザー
- 本日現在の体調: 良好
- 現れた副反応: 注射した腕の痛み
- 投薬:ヌーカラ (月1)、プレドニン 5mg
このかたが、おそらく一番早かった。アンジェラさん (A.S.さん)は、今年孫が生まれたばかりで、アメリカ・カンザス州に住む白人女性。接種後、腕が痛くなったが、そのほかの症状は全くなかった。数日以内に2回目の接種を完了する予定。
③イスラエル在住 女性 (L.B. さん)
- 1回目接種: 2020年 12月 31日
- 2回目接種: 2021年 1月 21日
- ワクチン製造会社:
未確認ファイザーと確認が取れました - 本日現在の体調: 良好
- 現れた副反応: 注射した腕の痛み、頭痛
- 投薬:ヌーカラ 300mg(月1)
最後にご紹介する リアンヌさん (L.B. さん)は、イスラエル在住の(おそらくイギリス人)女性。年代は上記の方と同じくらいか少し若く見えた。
イスラエルでも、EGPAではハイリスク患者と認定され、接種が最優先された。どこ製のワクチンかは確認しなかったとのことですが、多分ファイザーかな、と話す。
現在の治療に対しても、ワクチン接種はOKだ、との主治医(呼吸器内科)のお墨付きをもらい、接種した。
初回接種後、腕が腫れ、少しだけ頭痛があったとのこと。その後の体調は良好だとのこと。
世界のEGPA患者は、今こんなことを話している
ざっくりいうと・・・
- 受けたい人が多いけど、副反応にみんな興味津々
- 事前に主治医に接種可能か確認している(ただし主治医の主観が入り、悩む人もいる)
- 結局は受けてみないと、誰もわからない(自己責任)
まず最初に、本記事は、ワクチン接種を推奨しているものではない。あくまで、接種するかどうかは、一人ひとりの自由意志である。特に日本の場合は義務化されておらず、あくまで決断は、自分次第だ。
日本国外にいるEGPA患者たちは、すでに 自分たちの順番が回ってくる前に備えて、医師と確認したり、活発に情報交換をおこなっている。接種した人も写真やコメントで、自分の喜びだけではなく、皆の不安を払拭する手助けをすることを惜しまない。コメントやいいねをしている人の多くは、接種に前向きな様子である。
しかし、医師も正直コロナワクチン については未経験。医師個人が「俺は5年待つからあなたも待てば?」なんて主観で話されてしまった・・・と困っている人もいたようだ。(医師の診断は、主観ではなく客観的に行うものである)
結局のところ、EGPAと一括りにしても、症状は様々。特にEGPAは、ほかの病気よりも、発症する症状は一人より千差万別。そのため、999人のEGPA患者が大丈夫でも、自分に重大な副反応が出てしまう、というリスクを拭い去ることはできない。今言えることは、軽い副反応が出る、ということは予め覚悟しておいた方がいい、ということだけ。
しかし、コロナウイルスは、人間たちが、ワクチンを接種したら、コロナがなくなるわけでない。これから一生空気中に浮遊するウイルスとして存在し続けるわけだ。ワクチンのリスクへの懸念は、ゼロにはなり得ない。薬なのだから。それは、5年後10年後もずっとリスクはあり続ける。リスクとベネフィット(利益)、どちらが大きいか自己判断が必要なのだ。接種開始のタイミングは意外とすぐやってくる。そのために情報収集しておかなければならない。
そんなあなたに、この情報が少しでも 興味関心となってもらえたら幸いだ。
先行してワクチンを接種して貴重な体験をシェアしてくれたEGPAの仲間たちに敬意を評しつつ、また体験談が共有されたらアップデートしたい。
続編: モデルナ、オックスフォード&アストラゼネカ 編