このページは、膠原病を聞いたことがない人にも伝わるよう、患者目線のかみ砕いた言葉で説明している。
✅友達に自分の症状をカンタン説明したい時
✅初めて診断されたけど、何が何だかわからない時
お友達は 自分が病気であるわけではないので、詳しく説明しても興味を示すことはあまりない。
また急に診断された人は「聞いたことがあるけれど何が何だかわからない・・・」という人も多い。
そんな時、このページをぜひご利用いただきたい。
膠原病とは?
実は、医学的には存在しない名前
実は、『膠原病』とは医学的な病名ではない。病院の科の名前などで使われているケースは今でもあるが…
では、『膠原病』とはなんなのだろうか?
『膠原病』とは、いくつかの病気の総称
患者目線でざっくりいうと、
膠原病とは、自己免疫の異常により、体のいたるところに障害をきたす病気
である。
自己免疫異常の病気はたくさんある。
ちょっと難しい話になるが、膠原病の場合、『膠原組織』と呼ばれる組織と組織をつなぐ部分が自己免疫の攻撃でダメージを受ける。その傾向の傾向が見られる疾病たちをグループ化して、『膠原病』と呼んでいる。
なお、異常が起こる場所は、病気によって異なるだけではなく、患者によってもかなり異なる。
脳から、足のつま先前まさに全身である。
また、症状は、目に見える症状もあれば、目に見えない症状もある。症状の強弱もさまざまだ。
自己免疫疾患とは?
自分の免疫が、自分を攻撃してしまう信号エラー
患者目線でざっくりいうと、
『自己免疫』とは、本来、外部から異物(例ウイルスなど)が入ってきた際、ウイルスを排除するために、体が自動的に免疫システム(例・白血球など)を発動させる機能をさす。
しかし、『自己免疫』が、何らかの異常により、外部からの侵入者ではなく、内部、つまり自分自身のからだを攻撃してしまうことがある。これを『自己免疫異常』とか『自己免疫疾患』という。
自己免疫疾患の原因 – 『何らかの異常』とは?
では、この『自己免疫疾患』を引き起こす『何らかの異常』とは何だろうか?
残念ながら、自己免疫疾患のほとんどは、原因や根本治療が見つかっていない『難病』である。なので、『なんらかの異常』は、現在 原因究明されているものはほとんどない。
難病に関するさらに詳しい説明はこちら↓
膠原病グループの自己免疫疾患(一例)
もっとも多いのは 関節リウマチ
関節リウマチの症例は、日本全国で70~80万人いると推定されている。人数が多すぎるために、指定難病の定義から外れて、公費対象外となっている。しかし、こちらも『難病』のひとつであり、手が変形したりと目に見える症状があわられたり、大変深刻な自己免疫疾患である。
指定難病に指定されている膠原病グループの自己免疫疾患
指定難病に認定されている膠原病グループの自己免疫疾患の代表例はこちらで、18種ある。
2020年3月時点で、これらの自己免疫疾患により、特定医療受給者証を取得した人は、18万 7,323人である。
# | 告示番号 | 自己免疫疾患名 | 受給者数 |
1 | 49 | 全身性エリテマトーデス | 61,060 |
2 | 51 | 全身性強皮症 | 26,740 |
3 | 50 | 皮膚筋炎/多発性筋炎 | 22,195 |
4 | 56 | ベーチェット病 | 14,752 |
5 | 53 | シェーグレン症候群 | 14,663 |
6 | 52 | 混合性結合組織病 | 9,814 |
7 | 43 | 顕微鏡的多発血管炎 | 9,035 |
8 | 46 | 悪性関節リウマチ | 5,406 |
9 | 40 | 高安動脈炎 | 4,433 |
10 | 45 | 好酸球性多発血管炎性肉芽腫症 | 3,401 |
11 | 271 | 強直性脊椎炎 | 3,064 |
12 | 54 | 成人スチル病 | 3,013 |
13 | 44 | 多発血管炎性肉芽腫症 | 2,718 |
14 | 47 | バージャー病 | 2,578 |
15 | 42 | 結節性多発動脈炎 | 2,366 |
16 | 41 | 巨細胞性動脈炎 | 925 |
17 | 55 | 再発性多発軟骨炎 | 645 |
18 | 48 | 原発性抗リン脂質抗体症候群 | 515 |
指定難病の自己免疫疾患の分布
補足事項
英語の呼び方
膠原病 – Connective Tissue Disease
英語で、膠原病は、Connective Tissue Disease(コネクティブ・ティシュー・ディジィーズ)という。Disease (ディジィーズ) を略して、「Connective Tissue (コネクティブ・ティシュー)」とだけ呼ぶ場合もある。
ただ前述の通り、ただの通称であり、お医者さんとの会話ぐらいでしか使わず、普通の人に言っても、日本語の「膠原病」と異なり、まず通じない。つまり、日本では、「膠原病」というと「ん?何か聞いたことがある」くらいかと思うが、海外ではなにそれレベルである。
海外では、それより、個々の病気の名称で会話することのほうが多い。特に、SLEの通称名「Lupus」は、かなり広まっており、聞いたことがある、という反応が返ってくるっことが多い。(病気の詳しい中身はそこまで詳しいわけではないが・・・)
自己免疫疾患(障害) -Auto-immune Disorder
自己免疫疾患は、英語で、 Auto-immune Disorder(オート・イミューン・ディスオーダー)とかAuto-immune Disease(オート・イミューン・ディズィーズ)という。
“Auto” とは、「自動」(オートマチック)のこと。 “immune” 免疫。”disorder” は、障害。
まとめ
膠原病という病気は医学的には存在しない。そのため、医師は「あなたは膠原病です」という診断はくださない。
正しくは「膠原病の一種である、○○です」という話になるはずだ。